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みらいの金華山 第十一回

みらいの金華山

 「う~ん。どうやって日本まで行こうか」
 サトルが悩んでいると、サルキが得意げに言った。
 「そんなの簡単じゃないか。船に乗ればいいんだよ。人間に見つからないように、こっそりと」
 「でも、ぼくたちは字が読めないから、日本へ行く船がどれだかわからないよ」
 「つべこべ言わない!きっといつかつくだろう。世界一周はさけたいがね」
 サルキは楽しみだった。命の恩人に早く会いたかった。
 「う、うん・・・」
 サトルは心配だった。本当に金華山にたどり着けるかどうか、不安になってきた。
 「とにかく港へ向かおう!」
 そう言ってサルキはかけ出した。サトルはその後を追った。
 サトルとサルキが港に着いた時、ちょうど1せきの船が出航するところだった。
 「あの船に飛び乗るぞ!」
 サトルとサルキが飛び出した瞬間、船が動き出した!ギリギリのところで乗ることができた。2匹は人目につかないところに移動して、一息ついた。
 「ギリギリセーフだ」
 サルキは言った。
 「日本に着けるのかなぁ?」
 海に目を落としてサトルは言った。
「キャー」突然背後から悲鳴が聞こえた。 振り向くと一人の女性が2匹を指差していた。いつの間にか人が集まってきて2匹は囲まれてしまった。2匹の運命は・・・?

【文】小野愛和(青葉中学校1年生)
【絵】山田暖歌(青葉中学校1年生)

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