「この声は…」。
「いかにも、私はダッチャル3世だ!」と旅から帰ってきたダッチャル3世が立っていた。
「ダッチャルさん!」
「サトル、ボスザル就任おめでとう。サリオが言ったとおり、私がお前を旅に出す計画を立てたんだ」
「どうして、そこまでして、ぼくを旅に出したんですか?」とサトルが聞くと
「私はお前にもっと自信をもって、この金華山のサルたちをまとめていってほしいと思ってね。サリオにたのんで協力してもらったんだ。自分の力でここに帰って来て、旅を通してお前に成長してほしかった」とダッチャルは語った。
「そんな理由が…。ぼくはダッチャルさんに負けないくらい立派なボスザルになれるように、これからがんばっていきます!」とサトルが言った。
「わたしはまた旅に出る。金華山をたのんだぞ」とダッチャルが言うと
「つれて行ってくれ!」とサルキ。
「君はサルキ君だったかな?旅をする覚悟はあるかね?」
「はい!」
「だったらともに旅に出よう。出発は1時間後だ」。
「ということで俺様は旅に出る!じゃあなサトル!」
「サルキ、いろいろありがとう。元気でな!」
サルキは屋敷から出て行った。
「サリオ、ぼくがいない間に好き勝手していたっていうのは本当なのか?」とサトルは聞いた。
「そんなわけないだろ!道で会ったサルはお前がなかなかこないから村の人にたのんだんだよ。そうすれば、怒ってダッシュで来るかと思ってな!あと、この屋敷はダンボールでできていて、俺がお金を出したから。島のお金は一切使ってないぞ!」とサリオは答えた。
「そうか、よかった。ぼくは歴代ナンバーワンと言われるボスザルになってみせるよ」。
「がんばれよ。」とサリオは言い、サトルとサリオは握手した。
こうして、サトルは金華山のサルたちに信頼される伝説のボスザルになることを目指すのだった。
文 小野 愛和(青葉中学校3年生)
絵 酒井 圭佑(石巻小学校6年生)