にじいろクレヨン代表の柴田滋紀さんんは物を作るのが好き。彫刻が納得だったので、もっとやってみたいと思い、デッサンも勉強した。デッサンは見る物を絵で表現するので、自分が持っている技術的なものが追いつかなくて、最初のころは大変だったそうだ。今は石巻出身の画家として活躍している。
にじいろクレヨンは、震災で傷ついた子どもたちに元気になってもらいたいと、震災後、柴田さんがたちあげたNPO法人だ。柴田さんは、避難所にいて子どもたちが元気をなくしていたので、なんとかしなければと考えた。そのころはまだ誰も子どもたちに支援ができる状態ではなかった。誰もやるひとがいないので、自分がやられなければと思った。そして、やってみたら、子どもたちと接することで自分も元気をもらえたそうだ。
被災して、町に色がなくなったと感じた。町にいろいろな色がほしい、色でみんなを元気にしたいと思って、モザイクアートを作ることにした。モザイクアートとは、小さなタイルをたくさん並べて大きな絵にする作品のこと。モザイクアートは外に置いても保存がきくし、1枚100円でタイルを売って、たくさんの人に参加してもらえる。柴田さんが描いた中瀬の風景のモザイクアートは、今、石巻専修大学の図書室入り口に展示されている。
柴田さんは、石巻の子どもたちに対して「この震災ですごい経験をしたと思うので、これを乗り越えて、日本のリーダーになって活躍してほしい」と言っていた。
取材・文:竹 愛香(住吉中学校3年生)