私は「おにぎり大使」として、8月1日から1週間、オーストラリアへ行った。「おにぎり大使」とは石巻広域行政事業組合の事業で、石巻地方の特産である米と焼き海苔を使った「おにぎり」を、ホームステイ先に紹介するのが役割だ。同時に、現地の高校訪問、シドニー近郊の観光もできる。この事業は、平成3年から始まり、これまでに571人の中学生が海外研修を行った。
地元の高校では文化交流をした。日本の文化紹介のとき、私は書道を担当した。日本で練習した英語を活かして、現地の子どもたちに書道のよさを伝えた。みんな慣れない筆を持ち、見よう見まねで漢字を書いていた。3日めには待ちに待ったホームステイが始まった。訪問した家族の名前はMINKUS(ミンクス)家。4人家族でお父さん、お母さん、13歳の男の子、それに7歳の女の子がいた。私の他にも中国人のホームステイ者が2人いた。
一番印象的だったのは、ペットを連れて行った近くのビーチ。海は、私が今までに見たことがないくらいきれいで、色が3色に分かれて見えた。街中にあるにもかかわらず、とても広くて、海水浴場が人用と犬用に分かれている。翌日は別のビーチで、美しい景色を見ながらおいしい朝食を食べた。
ホームステイ2日目に、日本の代表食のおにぎりを振る舞った。ホストファミリーのみなさんは日本食がとても好きだったらしく、おにぎりも抵抗なく食べてくれた。また、お米を炊く前に炊けた後に30分ほど時間をおくことをすごく不思議に思ったようだ。
ホストファミリーとはいろいろなことを話しった。日本のイメージについては、「good!」と好印象。昨年3月に起きた東日本大震災をテレビで見てとても悲しく思ったそうだ。オーストラリアでは「ドラウト」と呼ばれる干害や、「プッシュ・ファイヤー」といって、長期にわたり雨が降らなく水かさが減ってしまうといった災害があるそうだ。もしオーストラリアで災害があったら「災害についてきちんとリサーチして、水の支援をしてほしい」と言っていた。
ホームステイ最後の夜にはビッグイベントである「さよならパーティー」が行われ、ほかのホストファミリーも大勢集まりみんなで最後の夜を楽しんだ。お別れの朝、私が悲しくて泣いていると「泣かないで!また来て!」と言ってくれたことが忘れられない。その後、シドニー市内で最後のショッピングをしたり、有名なオペラハウスに行ったり、ハーバーブリッジを歩いたりした。橋の上から見える海とオペラハウスはとても美しかった。そしてその夜、飛行機に乗り込み猛暑の日本へ帰国した。
この経験は、私の夜開館を広めてくれるものであった。日本にはない新しいものを自分の目で見て肌で感じることができた。
文:齋藤 桃香(蛇田中学校3年生)