買いものをすると「ポイント」をもらえることがある。この「ポイント」は貯めて商品と交換したり、代金の割引に使われたりする便利なサービス。そして、社会のために使うこともできる。「ポイント」を利用して東日本大震災の支援活動を行うTポイント・ジャパン株式会社の取り組みを取材した。
Tポイントは201
1年の東日本大震災を受けて、ポイントを利用した東北支援活動を行なっている。東北の未来を担う子どもたちの笑顔のために、これまで児童館や子どもたちの遊び場を、岩手、宮城、福島に合計5つ作った。同社の瀧田希さんは、「建築家の伊東豊雄さんに手紙を書いて協力のお願いをしたところ、すぐにご了解をいただきました」と教えてくれた。それからたくさんの人や企業が賛同して参加した。今回、瀧田さんの案内で、福島県に完成した2つの遊び場を取材することができた。
はじめに、「相馬こどものみんなの家」(福島県相馬市)。外側の壁はピンク色。建物は丸い形でぐるりと木の縁側がある。丸い形になったのは、日光が一日中入るようにするためだ。屋根はドームみたいな形で白い。室内は床も天井も木が使われている。柱が少なく、遊具がない広い空間だ。柱は木の形をしていて、下の方が椅子やテーブルに使えたり、一部がリスやフクロウの形になっていたりと楽しい。
電球は柱に巻きつけて設置してあり、コードが赤やピンクなどカラフル。そして、天井がすごい。日本でも有数の技術を持つ株式会社シェルター(山形県)によるもので、その職人さんたちが自慢できる仕上がり。ここでは親子ヨガ教室や手遊び、読み聞かせなどを行っている。遊びに来ていた子どもの保護者は、「ほぼ毎日来ています。木でできているので安心して遊ばせることができます。子ども同士だけでなく、ここでお母さんたちも友達になれます」とうれしそうに話してくれた。
次に、「南相馬みんなの遊び場」(福島県南相馬市)に行った。上空から見るとひょうたんのような形。大きな円と小さな円の建物が2つつながっている。屋根はテントのようになっていて、中には、なんと砂場がある。建物と同じようにひょうたん型の砂場で、大きい円と小さい円を分けるように小さい橋が架かっている。橋の裏側には子どもならだれでも大喜びする絵が描かれている(どんな絵かは子どもたちのために秘密にしておく)。砂場にそれぞれ1本の木でできた柱が立っている。大きくてまっすぐな木を探すのに苦労したそうだ。素足で砂場に入ってみると、ざらっとして歩くだけでも気持ちいい。
福島では、震災から7年がたつ今でも、東日本大震災の時に起きた原発事故の影響で子どもたちを外で遊ばせるのが心配だという保護者が多い。「ポイント」で人々の気持ちが集まってできた遊び場で、子どもたちは安心して元気に遊び、笑顔が広がっている。この日、初めて砂場遊びをしたというひよりちゃんは「いつもは家で遊んでいるけど、楽しくてまた来たい!」と目を輝かせた。
取材・文・写真
小俣 翔太郎(矢本第二中学校1年生)
八重樫 蓮(石巻工業高校1年生)