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ご先祖様からの贈り物 千歯こきと大八車

ひいおじいちゃんのたからもの「大八車」

 ひいおじいちゃんの蔵にあった「千歯こき」と「大八車」が、多賀城市の東北歴史博物館に保管されることになった。なぜなら、蔵があった場所に、新しく道路ができることになったからだ。今、どうなっているのか気になって学芸員の小谷竜介さんにお話を聞いた。
 小谷さんは学芸員。学芸員という仕事は、博物館の資料を守ること、持ち込まれたものがどういうものなのか研究すること、それらを分かりやすく展示すること、それを使って展示ではできないこと(イベントなど)をすることだ。東北歴史博物館で一番古い収蔵品は、6千年くらい前の土器や貝塚、貝がらで作ったネックレスなど。貝塚は昔のゴミ捨て場だったからいろいろなものがでてくるそうだ。
 私のひいおじいちゃんが使っていた千歯こきと大八車は、120〜130年くらい前の物だそうだ。通常、博物館では、こわれにくいところ(温度は25度、湿度60%のところ)にものを保管している。最初から状態が悪かったり、弱ってきたりしたら、「保存処理」をする。保存処理とは、薬剤を使って木を固くしたりすることだ。
 東北歴史博物館では、東日本大震災をどのように伝えていくかを考えている。たとえば、レディーガガのキスマーク付きのティーカップもあるし、ひいおじいちゃんの農機具のように運ばれてきたものもたくさんある。小谷さんは、震災で壊れたものや資料をどうやって直して展示していくかを一生懸命考えている。
 「昔の宮城の人たちは、海や、たんぼや畑になる陸地、林や山など木のあるところ、川などがそろっていたので、自然を上手に使いながら暮らしていました。都会に似たような感じになっていくのではなくて、これからも宮城ならではの自然を使って生活する地域になってほしい」と小谷さんは願っている。

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