5月28日、「千年希望の丘」(宮城県岩沼市釜谷地区)で、10万本の木を1万人で植える大規模な植樹祭が行われた。「千年希望の丘」とは、植樹した木々からなる緑の堤防と丘を連結させた避難場所にもなる大きな堤防のこと。津波の勢力を弱める働きもあるのだという。植樹は、2013年から始まり、今年で4回目となった。国内外から、多くの賛同と支持を受け、これまでに約25万本もの木を植えた。
今回の参加予定は約10000人だったが、実際には12000人もの参加者が集まった。スペシャルゲストとして、岩沼市の健幸大使を務める俳優の西村雅彦さんを始め、石川さゆりさん、梅沢富美男さん、石井竜也さんらが参加し、大変なにぎわいの中、大成功に終わった。
西村さんは、「こうしてたくさんのみなさんと一緒に植えた木々がすくすく育って、森を形成していく様子を考えると、とてもうれしいです。震災後、何度も被災地を訪れ見守ってきましたが、5年目の今年は、みなさんそれぞれに前向きな姿勢が感じられます」と話していた。 大阪から来た木戸貴子さんは「大勢の人が、同じ目的で同じ場所に集まり同じことをしていることに感動しました」と語り、神奈川から来た小学生の坂東建生さんは、「土が固くて掘るのが大変だったけれど、楽しかったです」と話していた。
苗木を植えた後、土の上に藁を敷き詰めた。藁は、保湿や肥料の役割をする。広葉樹は根が深いので津波に強いのだそう。1千年後の森のための小さな1歩になった。
【取材・文・写真】松林拓希(蛇田中学校3年生)