記事詳細

小説「たらこ家族」

たら子もメガフェスに参加

 みなさんは石巻でたらこがたくさん生産されていることを知っていますか?かつて、石巻には北の海で、魚を獲ってきた遠洋漁業の漁船がたくさん入り、「すけそうだら」が水揚げされたため、笹かまぼこが有名になりましたが、たらこの生産量が日本一だったこともあるそうですよ。これは、そんな石巻で生まれ育った小学生がつくったお話です。
 たら男とたら女が出会ったのは、たら男が29歳、たら女が24歳の時だった。出会った場所はスーパーのたらこ売場。2人は、閉店時間になって、店員が片付けをしているすきに、「バーン!」とサランラップをつきやぶり、海に戻った。それから1年。結婚して、たら子が生まれた。たら男とたら女は、スーパーの店員に見つからないように、ずっと一緒に海の中に作った基地で生活していた。
 1年の間、いろいろなことがあった。1月、たら男が基地をつくり、近所の人を呼び、パーティーをした。2月に大ハプニング!!大ダコと巨大ウニが来たのだ。でも、友人のサメが助けてくれて、おまけに海ぶどうをくれた。
 3月11日にあの地震が来た。基地は海の中なので大丈夫だったけれど、海のみんなに支援を送って、「海の戦士家族」と呼ばれた。4月17日、たら女の誕生日。たら男は指輪をプレゼントして結婚を申し込んだ。たら女の答えはもちろんOK!そして5月に結婚式。招待されたのはサメ、イカ、マグロ、カツオ、ほか50匹ぐらいの魚たち。ウエディングケーキを囲んで、みんな笑顔でお祝いをした。6月は梅雨のなか、たら女が、おでんパーティーをして、汗だらだら。7月にはバーベキュー。ごはんはいつもみんなでおいしくたべた。
 8月はお祭り。イカのぽっぽ焼きにビールで乾杯!花火がバーンバーンといい音をたてた。9月、秋だから本や読書。(読書と本って一緒やねん!)やきいもサイコー!(たらこだってやきいもを食べる。)こんなに楽しく暮らしていたら、10月、たら子が生まれた。みんなうれしくなった。11月、サンタに手紙を出して、12月にパーティー。あとはサンタを待つだけと、朝になったら、たら子のくつ下の中にiPhoneがあった!!うれしかった。「ありがとう神様!」とたら子は喜んだ。
 こうして、たら男とたら女はたらこ売場からうまく逃げて、たらこ基地をつくり、たら子が生まれて、たらこ家族のハッピーな毎日が始まったのだった。
(つづく?)

作:佐藤 花蓮(石巻小学校5年生)

Copyright (C) Kodomo Mirai Kenkyusho. All Rights Reserved.