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海の農家さん みんなでおにぎりを食べよう!

網のメンテナンスをする南部武彦さん

 2014年7月20日、愛知県から8人の子ども記者が石巻に取材に来た。のり養殖をしている南部武彦さんに合同で取材を行なった。
 南部さんの工場は、津波で機械も工場も全てが流されてしまった。さらに75㌢も地盤沈下した。だが、多くの支援を受け養殖を再開することができた。
 のりは胞子という種でできる。種は顕微鏡でしか見えないくらい小さい。種付けは8月に行なわれる。昔は、個人が種付けを行なっていたが、今は共同で行なっている。シーズン中は1日約4万枚〜5万枚生産できる。2月から3月は寝ないで作業を行なう時もあるそうだ。1枚の大きさは19㌢×21㌢。1から330までの級に分けられる。南部さんはこれを「のりの通信表」と呼んでいる。
 震災がおきた時はとても落ち込んだし、がっかりした。収穫の最盛期だったからだ。「今年はできるのかな」と何度も心配になったそうだ。でも、従業員は全員が無事だった。だから、その心配は自然に「やってやろう!」というやる気に変わった。国からの再建費用の支援もあり、石巻市内にあった工場のうち、南部さんの工場も含め20軒中16軒が再開したそうだ。南部さんは、「国内や海外のたくさんの人からの温かい支援と応援で復興できました」と話す。
 震災前より海がきれいになったという。のりの品質を悪くしていた水温の上昇やガスが、津波で昔の海の状態に戻ったからだ。売り上げに関しては、震災前にだいたい戻ったそうだ。
 最後に南部さんから私たちにお願いがあった。「みなさん、石巻に来たらコンビニでおにぎりをたくさん買ってください!」おにぎりののりは石巻で作っているからだ。みなさん、石巻に来たら復興のためにおにぎりを食べてください!

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