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震災ボランティアの 葛藤を描く 観客の目には涙も

左から田口智也さん、石倉良信さん、福島カツシゲさんと鈴木省一さんの写真

 舞台「イシノマキにいた時間」が12月1日、石巻市中央公民館大ホールで上演された。この舞台は全国で、大きな反響を受け石巻では2回目の公演となる。
 ボランティア団体「Take action」で震災直後から活動を続けるヒロキ役の福島カツシゲさんとゴールデンウィーク後から石巻にやってきて長期の活動を続けているヤス役の石倉良信さん、何度も石巻に足を運んで「カムバック組」と呼ばれているヒトシ役の田口智也さんの3人により、復旧から復興に向かって支援のカタチが変わっていく中で「いつまで?どんな支援を?誰のために?」、というボランティア内で膨らむ葛藤が描かれている。
 スペシャルゲストとして作曲・編曲家であり、この舞台のエンディングテーマを手掛けた吉俣良さんが出演し、有名テレビドラマのサウンドトラックを演奏し、開演前から会場を賑わせた。会場内では震災後からボランティアとして石巻に来ていた写真家・鈴木省一さんの写真展「いしのまきのあさ」も開催された。
 石倉良信さんは「ここ(被災地)で被災地を舞台にした芝居をしてもいいのか不安でしょうがなかったのですが、1回目の公演を見た人がありがとうと言ってくれたことや、6月の仙台公演の後に石巻の人にこの舞台を地元の人にも見てもらいたいと言われました。その言葉に背中を押されてこれからもこの舞台をやっていけると思いました」と振り返る。「誰しも、キッカケの場所、言葉、タイミングがあります。またこれから行う公演を見てここに(石巻)に来てくれるキッカケになってくれればいいなと思います」と福島カツシゲさん。
 次回公演は2014年3月1日・2日群馬県のながめ余興場で行われ、3月11日には仙台の仙台市民会館小ホールで再演される予定。

取材・文・写真:千葉 拓人(東松島高校3年生)

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