江戸時代、米や木材を江戸に運んでいた伊達藩の千石船「若宮丸」は、石巻から江戸に向かう途中、嵐にあって漂流したが、ロシア人に助けられ、出発から12年後の1805年、16人中4人の乗組員がふるさとへ戻った。この4人は、日本の歴史で、初めて世界一周した日本人とされている。若宮丸の乗組員たちが行った国で、日本語を学んでいる学生のみなさんとインターネットで交流しながら、私たちが作った紙芝居を上演する「世界一周プロジェクト」が始まった。
このプロジェクトは、「石巻日日こども新聞翻訳プロジェクト(第6号1面)」を企画した福島青史さん(国際交流基金サンパウロ日本文化センター 日本語上級専門家)が、各国の大学に若宮丸の輪を広げてくれたことで実現した。
第1回は、乗組員たちが助けられたロシア。ヤクーツク、イルクーツク、モスクワ、サンクトペテルブルクで日本語を学んでいる大学生のみなさんが、昔から伝わる毛皮をはおって見せてくれたり、町並み、料理、おもしろい伝説などを写真で紹介してくれたりした。また、言葉や好きな音楽などについても話し、とても楽しい交流となった。
参加したユーラシア言語大学(イルクーツク)のダーシャ・ズーバレヴァさんは「この交流はずっと続いてほしいです。そして、もう1回参加したいです!」と話してくれた。
若宮丸探検隊は、次はイギリスに向かう。そして、まだまだ続くのでどうぞお楽しみに!
【取材・文】西彩奈(青葉中学校1年生)